99.9 テレビドラマの題名ではない。
都内で明らかなコロナ感染症がないと思われる方 約2000人に精密な抗体検査を行った結果、ウイルス抗体陽性率は0.1%であった。東京都の人口は 約1400万人であるから約 14000人が抗体保有していることになる。
1000人に1人しか陽性反応が出ないということから考えられるのは
当初言われていたほど感染は蔓延していないのではないかということ。
感染力が強いということと矛盾するようでもある。
今までに経験したことのない新種のウイルス感染症であるから断定的なことは誰も言えず注意を喚起していたのだろう。これには罪はない。
さて、抗体検査には意味がないと考える人もいるであろう。
どうせ自分は1000人に1人には入らないだろうし、症状が出る率も低いのだから抗体検査に何の意味があるのだろうかとも考えるかもしれない。
まして、抗体を持っているからと言ってウイルスをまき散らすわけでも無く自身が健常なら良いではないかという個人主義の方もおられよう。
元々抗体検査には個人の利益というよりも、集団・公衆衛生の面から大変重要な物である事に疑いはない。
さて、当院の患者に問うてみたらほぼ全員が抗体検査を受けてみたいとのこと。近々精密な検査を実施するが、結果をどう判断・理解してもらうかが重要問題になる。
以下は私の考えだが
①陽性の方
Covid-19抗体が作られるには早くて1週間、3週間ほどで全症例抗体ができているようだ。
ということは、検査の感度にもよりますが抗体陽性者は、1−2週間は体調に厳重注意し、発症しない事を確認する必要がある。
具体的には、他人との接触は極力減らし、マスク着用や体温測定を徹底することである。
②陰性の方
感染ごく初期(10日以内)であると、抗体は産生されていないことが多いので感染していても検査結果は陰性になるため、3−4週後に再検査をすべきと考える。
抗体陰性者は自身の感染も心配だが、ウイルス培養器にならないためにも今まで同様に気をつけなければならない。
こう述べると、なんだ陽性も陰性もどちらも対処に変わりは無いじゃないかといわれるかもしれない。
事実、今までと同様にお気をつけられることに変わりない。
ただし、特殊な場合こんなことは考えられないだろうか。
「コロナワクチン」ができあがっても、数に限りがある場合、どのような方を優先に接種させるかという選択の必要があったとき、抗体陽性の方は躊躇無く後回しにすべきです。
ご家族の場合と置き換えて考えたとき、お子様たちは抗体陰性でご本人は抗体陽性であれば、ワクチンを抗体のないお子様を優先するだろう。
抗体検査は個人の利益に直結はしませんが、社会の利益になると考るためできる限り積極的に検査を受けてほしい。