診療で使用するシリンジ:見た目だけじゃない、3つの違い
診療時に使用するシリンジ(ディスポーザブル注射器)。実は、様々な会社から販売されています。
「どこも同じでしょ?」「何が違うの?」「どれでもよくない?」と思うかもしれません。しかし、調べてみると、シリンジには以下のような違いがあることがわかりました。
当院で使用しているシリンジは何が違うかを調べてみました。
【実験方法】
[重さ]
袋からシリンジを取り出し、1本ずつ図りに乗せて測定。
[圧](ピストンを動かすのに要する圧)
①シリンジをメモリいっぱい(12ml)まで引き、その状態で計に載せる②計りの0表示を押す
③シリンジの外筒を持ち下に押す
④内筒が0mlになるまでにかかっている圧の幅を見る
1社につき5回①〜④を繰り返し最小と最大の値を見る
【結果】
重さ(g) | ゴムの厚さ(mm) | 圧(最小〜最大g) | |
A社 | 6.0 | 3 | 260〜300 |
B社 | 7.0 | 3 | 240〜310 |
C社 | 9.5 | 5 | 380〜510 |
見た目は似ていますが、重さには3.5gの差があります。正直言って、重さ自体はあまり気にならないかもしれませんが、注目すべきは圧力です! 最小から最大までの幅が小さい方が滑らかに動くと言えます。どのシリンジも最初の押し始めには力が必要ですが、その後の内筒の滑りに違いがあります。実際、目を閉じて押してみても、A社とC社のシリンジの違いは感じられるほどです。滑りがスムーズであれば、薬液を注入する際に針先が動かずに一定の位置で注入でき、痛みを感じにくくなるでしょう。
当院では、一番内筒の動きがスムーズなA社のシリンジを使用しています。
信州会クリニック
保健師・看護師 黒川 未有希