クリニックの近くに由緒正しき店がある。
ラストエンペラーの弟君も好んだ鰻屋である。
来客が丑の日であったので、鰻を食することにした。
人生で食した鰻屋の中で一番美味しいと思っていたお店に出向くことができないので、テイクアウトを予約しておいた。
届いたうなぎ弁当を見て、食べて脳と舌が混乱した。大変がっかりせざるを得なかった。
お店で食べると、流石に旨いとしか言葉が出ないはずなのだが、眼前の鰻重弁当のうなぎは見た目にも食感にしても残念な思いしか起きなかった。身は薄いし骨が多い。タレはかかっているが照りがない。
私の舌に問題があるのか、とすら思えた。
クリスマスのときのタッキーフライドチキンと同じであった。需要が多いゆえに粗製乱造になるのだろうか？
とても職人の作ったものとは思えぬ味であった。残念！
美味で満腹とはいかず、不満で腹がふくれただけであった。
クリニック周囲の旨いものマップから、その店を削除せねばならぬかもしれぬ。
だが、もう一度ぐらいはお店に出向いて食してみないと真価はわからんな、需要が増えるブームのときの味なんぞは期待してはなるまい、と独りごつ。